第177号 家計相談で忘れてならない2つの心得（柳澤）
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あこがれのＦＰ活動☆成功の秘訣
第１７７号
２０１８／１２／５発行
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おはようございます。ついに今年最後の月となりました。
ここからの１カ月間はまさにこの１年間の総仕上げ。１
年前の自分と今の自分を比べながら、反省もあり、満足
もありの１年として平穏に締めくくりたいと思ってはい
ますが、さてどうなるでしょうか。
読者の皆様も、これからクリスマス、忘年会とイベント
が続くシーズンとなります。街も１年で最も活気づく年
末商戦の時期。高揚感あふれる１２月の雰囲気を楽しみ
ながら、体調を崩すことなく年の瀬を迎えたいものです
ね。
それでは今回は柳澤ＦＰによるコラムです。
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家計相談で忘れてならない２つの心得 ～柳澤～
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おはようございます。ＦＰフローリスト柳澤です。
ついに師走に突入しました。温かい日が続いていたから
か、なんだかピンときませんね（苦笑い）。2018年、や
り残したことはありませんか？ 平成最後の年、後悔の
ないように駆け抜けたいものです。
さて、皆さんは家計相談を受けていますか？
ＦＰの看板を掲げていても、なかなか機会がなくて…と
いう人もいらっしゃるかもしれません。でも、お友達と
か親戚とか、ちょっとお金はもらいにくいけど相談を受
けるようになった人は少なくないのではないでしょうか。
今回は、家計相談を受けるにあたって、これだけは忘れ
ないでほしいと思うことを２つ、お話しします。
【１】実行できるプランを提案する
家計相談の同席やロープレをしていてよく目にするのが、
アドバイスが机上の空論になってしまうこと。つまり、
実行不可能なアドバイスをしてしまっていることです。
ご相談者から聞いた数字だけを見て話をすると、そうな
りやすいので、日頃から心がけることが大切です。
たとえば、カード返済で家計がまわらなくなり、ご相談
に来られたお客様がいたとしましょう。
家計相談では、そのご家庭の平均的な収入と支出を聞い
て、収支の状況を把握します。しかし、クレジットカー
ドのキャッシングやショッピングを多用している場合、
そこで得たデータは現実を映していないことがあります。
通常の家計の洗い出しでは、翌月のカードの支払いが浮
き彫りにならないことが多いからです。
借り入れをしている人は無意識のうちに、自分のダメな
部分（ダメだと思っているところ）を言いたがらない傾
向があります。
翌月のカード返済額がいくらなのかは、ＦＰが聞かなけ
れば、まず教えてくれません。リボ払いの毎月返済額と
翌月のカードの支払いはイコールとは限りませんので、
ここを確認し、翌月をどう乗り切るかを指導する必要が
あります。手順としては次の通りです。
１．収入、支出、貯金、保険、借り入れ情報を確認する
２．支出の中で、カードで払っているものを確認する
３．翌月のカード返済額と支払日、引き落とし口座、
給与振り込み日を確認する
４．お金の流れを整理し、予算を立て、ご相談者に取り
組んでほしいことをアドバイスする
⇒TO DO LISTの提示
５．翌月の暮らし方を指導する（生活費の捻出方法等）
⇒TO DO LISTの提示
家計の洗い出しは通常、「食費はいくら？」などと、費
目ごとにいくらかかったかをお聞きします。しかし、実
際のキャッシュフローはカード返済が加わるため、より
複雑になります。
カードに依存している人の多くは使える現金がないから
カードで支払います。1回払いでは返せないから、リボ
払いに切り替えるのです。そういう状況であることを理
解した上でアドバイスをするように心がけてください。
・翌月の返済をどう乗り切るか。
・翌月のやりくりは何に気を付けて、
どんな方法で管理していけばいいか。
・それを乗り越えると、どんな未来が待っているか
この3点をしっかりお伝えして、ご相談者が家計改善に
取り組めるように、TO DO LISTを提示してくださいね。
【２】ワクワクを育む伝え方を心がける
余談ですが私、9月からダイエットのためにマンツーマ
ントレーニングを受けています（現在10kgダウンです）。
筋トレだけでなく食事指導もあるのですが、先月トレー
ナーさんを交代してもらいました。理由は、前任者が目
先のデータだけをみてアドバイスする人だったからです。
私の仕事や生活環境への配慮はなく、トレーニング日の
体重や体脂肪率、筋肉量などのデータを見て、悪いとこ
ろを指摘していくアドバイススタイルだったのです。
ただでさえ、食事に制限がかかっているのに、さらなる
ダメだしに、身も心も疲弊してしまいました。徐々にト
レーニングを受けるのが苦痛になり、パフォーマンスが
発揮できなくなったのです。
ストレスを感じるようになってからは体重はずっと横ば
いで、トレーナーからため息をつかれるたびに悲しい気
持ちになっていきました。
「もう無理！」
そう思い、店長に担当をかえてもらう相談メールを送っ
たときに、「あれ？ これって家計相談に通じるかも」
と思ったのです。たとえば、家計データを見て、
「ここは使いすぎているから、あと○万円減らして！」
などと、注意されても、ご相談者は心の中で
「それができないから相談に来てるんじゃない」
「責められるために相談料を払っているわけじゃない」
と、イライラされているかもしれません。
これまでの家計の問題点を見付けて指摘することは大事
なことです。しかし、それ以上に大切なのは、ワクワク
して取り組んでもらうことではないでしょうか。
何を、どう変えていけば、どんな未来が待っているのか。
それをイメージできるようにお話しし、やる気を出して
もらうことが何よりも重要なのです。
あなたはＦＰとして、ご相談者がワクワクして取り組ん
でいただけるようにどんな工夫をされていますか？
私は、ご相談者がやるべきことを明確にして、これを乗
りきると、こんなに生活は楽になる、改善すると、でき
るかぎり具体的にお伝えするようにしています。そうす
ると、ご相談者の目がきらりと輝きます。
理想の状態に近づくために、まずは小さな目標をクリア
していく。それができたら、次のステップに進む。その
積み重ねが、よりよい家計習慣となり、豊かな未来につ
ながります。ワクワクってすごく大事です。前向きに家
計改善に取り組めるように、ＦＰもワクワクしながら、
ご相談者をナビゲートしてくださいね。
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☆編集後記
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編集担当、小俣彩です。
このコラムに携わって早1年半。いよいよ来年は新人と
は言っていられない時期に入るなと感じています。
社内的には新人であっても、自分の中にはれっきとした
『プロ意識』が芽生え、難しい案件だと感じておじけづ
きそうになっても、それを乗り越えた後の自分をイメー
ジして取り組んでいます。
『プロであること』を常に意識することが重要だという
ことをこの１年で先輩ＦＰに叩き込まれました（とても
やさしくです）。
今現在、私の中で大変緊張感のある相談を抱えています。
年末までに無事お客様がご希望の物件を手にするために、
どんなことでもサポートするという気概を持って臨んで
いますが、慣れない案件であるが故、頭を抱えることも
多いのです。そんな時、
『あなたが腹をくくるなら、サポートします』という先
輩の言葉がありました。
厳しく、愛のあるその声かけに、心が奮い立ちました。
ＦＰフローリストにはこのように私に勇気と自信を与え
てくれる先輩や仲間がたくさんいます。
いつか近い将来、私も新人さんにこんな言葉をかけてあ
げられる先輩ＦＰになりたいと思います。
それでは次回もお楽しみに！
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